宝生和英×金剛龍謹 合同演能会」は、宝生和英による演能会「和の会」と金剛龍謹による演能会「龍門之会」が互いに手をとりあい、合同で開催する演能会です。
演能会同士のコラボレーションはこれまでにない公演スタイルであり、能楽界にとってもとても斬新な試みとなります。
「宝生和英×金剛龍謹 合同演能会」ではそれぞれの会の特徴を活かし、正統派でありながらも個性的な新しい合同演能会として、能楽の「美」を最大限にお楽しみいただける活動を行ってまいります。
【演目】
能「巻絹」惣神楽(宝生流)
諸国から熊野に巻絹(献上品の絹)が集められる中、都からの使者は音無天神で和歌を手向けたため遅参し、縛られる。すると巫女に天神が憑依して現れ、使者の無実を証明し、縄を解かせる。巫女は和歌の徳を説き、祝詞をあげ神楽を舞い、狂おしい姿を見せるが、やがて神は去り、巫女は狂いから覚める。和歌を鍵にした推理小説的な展開と、優美でリズミカルな<神楽>の舞を見せる秀作。
能「小鍛冶」白頭(金剛流)
夢のお告げを受けた天皇は、刀匠の三条小鍛冶宗近に御剣を打つことを命じに、勅使の橘道成が宗近の邸に向かう。宗近は、自分と同様の腕前の相槌がいないと訴えるが道成は聞き入れない。この上は神助を頼む外ないと思い、宗近は氏神の稲荷明神に参詣する。すると一人の童子が現れ、中国や日本に伝わる様々な物語を語り励ます。御剣を打つ祭壇を作り待てば、必ずや力を添えようと言い、稲荷山に姿を消す。帰宅した宗近が祈りると、稲荷明神が現れ、相槌を打って御剣を打ち上げる。名剣の奇瑞、稲荷の神徳を讃えた曲である。
ほか
【出演】
能 「巻絹惣神楽」(シテ:宝生和英 ツレ:澤田宏司)
狂言 「二人大名」(シテ:茂山千三郎)
能 「小鍛冶白頭」(シテ:金剛龍謹)