映画「波あとの明かし」
岩手県宮古市の風習"松明かし"を探るドキュメンタリー作品。
宮古に伝わる風習に「松明かし」というものがあります。
松明かしとは毎年8月1日、7日、13日、14日、15日、16日、20日、31日の夕暮れに、各家庭の玄関前で松を燃やしてたき火をする風習です。 8月14日、15日はお墓参りの際、墓前でも行います。
日本ではお盆の間(8/13~16)死者の魂が家に戻るとされています。そのため日本各地で様々な風習があります。なかでも宮古の風習は特に独自性が強いです。
1611年、1896年、1933年、そして2011年と、宮古は幾度も大津波に襲われてきました。その度に多くの命が失われました。
津波で住処も、命をも奪われた人々の魂はお盆にどこへ帰るべきなのでしょう? 遺族は被災により住処が変わってしまったため、魂が帰るべき家を知らせようと連日玄関前で焚き火を行うことにしたのかもしれません。
本作品が命や、家族について考える機会となれば幸いです。
協賛:NGO国境なき僧侶団