1937年に日中戦争が始まると、総力戦体制に向けて国民を動員するための宣伝活動が活発になりました。当時の先端的なデザインや技法を駆使した宣伝は、視覚・聴覚に訴えて、当時の人々を戦意高揚に駆り立てる感性装置でした。
本展では、総力戦体制を支援するメッセージの発信場所とされた戦時ポスターやチラシなどの視覚資料(広告デザインや美術)を中心に、軍歌や戦時歌謡などを収録したSPレコードなどの聴覚資料(音楽や音声)、発育段階から戦意高揚を促進するための子ども向けのゲームや遊玩具など、感性に訴えかける歴史資料を約140点展示し、実際に会場内で体験もしていただけます。
この展示を通して、現在にも続く情報による嗜好の操作について考え直す機会となることを願って開催いたします。
また、会期中の11月16日(土)、17日(日)は、両日13時と15時から約30分で学芸員による展示解説を行います。