彼は、描かない画家である。
つまり、絵筆を執らないことによって「絵画」を制作する。キャンバスという平面に対峙したひとりの画家が筆を執り、見たものあるいは心に捉えたものを絵具でもって描き出す。そんな古典的な「絵画」を構成している諸要素—たとえば色 彩—を、注意深く取り出して、空間の中で立ち上がらせるのだ。それは「絵画」を突き崩しているようでいて、しかしそこへの深い執着とも見て取れる。
彼は描 かない、画家である。 [キュレーション:吉田モモコフ]
■作家略歴
明楽 和記 (あきら かずき)
1988年 和歌山生まれ
2011年 成安造形大学 構想表現クラス卒業
2012年 同大学 今井祝雄研究室卒業
主な個展
2012年 “Touch&Stroke”KUNST ARZT (コーディネーター 横井悠)
2013年 “farbraum”gallerie weissraum Kyoto
主なグループ展
2012年 “卒業制作展”京都市美術館
2012年 “Art Shower”CASO
website : http://akira.xii.jp/
■キュレーター:吉田モモコフ
京都大学文学部美学美術史学専修卒、ギャラリー@KCUA元インターン。 『△のリンゴ』展(studio J、大阪)キュレーション、伊東宣明個展『芸術家』(Antenna Media、京都)レビュー、田淵萌『プレイバック1万日展』(つくるビル マルニアトリエカフェ、京都)プレビュー等。