形をとどめたいという願望が薄まっていく。
そもそもなぜ、とどまりたかったのだろう?
わたしたちを取り巻くも のは曖昧さの限りを尽くしている。現に、言葉で説明しようとして整理できないことは間々あるし、それを置き去りにして見過ごす周到さも持ち得ている。 『ぶこつな霞』は、ダンサーの数をタイトルとする「solo」「duo」「trio」「futago」 のシンプルな4つのダンスと、それぞれの演目に違ったミュージシャンがコラボレートするオムニバスでみせ、とどまらない形やあるようでない形について疑問 を呈する。「知覚の変容」を表出させる身体と、身体の響きを触発する刺激としての音の密接な在り方を探りながら、ダンスと音楽が相互に深く混在するライブパフォーマンスを、Gallery PARCの空間を舞台に繰広げる。ダンサーに高木貴久恵、小寺麻子、ミュージシャンにgenseiichなどを迎え、顔ぶれ豊かに関係性を展開させる。