ドイツの女性パフォーマンス集団She She Popは、演出家/脚本家/俳優といった特定の役割を置かず、メンバーそれぞれの個人的な経験、価値観に基づいて、集団で作品を作り上げるというユニークなスタイルをとっている。最新作となる本作は、東西ドイツの分断、そして壁の崩壊という、過去約半世紀にわたるヨーロッパの大きな歴史を紐ひもとく試み。壁の両側で生まれた6人の助成が、それぞれの引き出しから手紙、日記、写真、レコードを取り出しながら、人生の物語を深く紡いでいく。自伝的素材から露わになる様々な〈断絶〉は、日本人の観客にもアクチュアルに響くだろう。