庭劇団ペニノ主宰のタニノクロウは自身が住んでいた東京・青山のマンションの一室を、劇団のアトリエへと改装。「はこぶね」と名付けられた極めてミニマムな空間で、異様で猥雑な、そして愛らしい妄想ファンタジーを繰り広げてきた。本作は、2004年から4年ごとに「はこぶね」で立ち上がった3作品をひとつの〈箱〉にぎゅっと詰め込み、新しい作品に仕立て上げた、贅沢でぶっ飛んだ企み。3+1の世界を縦横に展開させる、驚異的な舞台装置も見ものだ。これからの世界/空間を行き来する無限ループは、醒めない夢の中にいるような、恐怖と愉悦にどっぷりと浸かる体験となるだろう。