【作家】
伊藤存、須藤絢乃、山本麻紀子、二瓶晃、アンドレアス・クレシグ
本展覧会は現在さまざまな場で独自の活動を展開している、京都市立芸術大学構想設計専攻出身の作家5名による展覧会です。
芸術は芸術以外の目的に利用してはいけない―という命題を立ててみよう。しかし現実の私たちは歴史や国境や社会を与件として与えられている。また自然や科学はときに私たちの想像を超えてあらがえない現実をもたらす。
芸術は芸術以外の目的に利用してはいけない―という命題を立ててみよう。
しかし現実の私たちは歴史や国境や社会を与件として与えられている。
また自然や科学はときに私たちの想像を超えてあらがえない現実をもたらす。
「好奇心の欠如という病に向き合うことはできる。好奇心を持つということは、
他者の言葉を聞く耳をもつということ。」(ダニエル・バレンボイム)
私たちには目や耳がからだが与えられている。
それによって他者の嘆きや叫びを見たり聞いたり感じることができる。
またその能力によって描いたり、歌ったり、奏でたり、踊ったり、演じる事ができる。
それは芸術と呼ばれているけれど、
そのちからは対立や差異を調停する働きがある。
私たちは現在の現実に向き合いながら、
希望や調停を芸術というささやかな、
しかし普遍的なちからで行使する権利はある。
それは様々な与件に対する私たちの「甘い復讐」だ。
そして私たちはまた平凡な一日に戻って行く。
それはたわいもないけれどかけがえのない一日だ。
そのような平凡な日常を他者も過ごせるように想像するのも、
私たちに与えられたちからだ。
企画:砥綿正之