この展覧会は、伊藤存、小川智彦、ニシジマ・アツシの3人が対話を重ね、アーティスト自らが企画し開催するものです。
「景」「風」「趣」「情」
これら4つの文字はそれぞれに意味を持っています。その配列を組み替え、順序や場所を変えることで、たちどころに新たな意味と情感を帯び始めます。
これと同じく、3人のアーティストが制作した作品は、それぞれが独立した作品でありながら、空間を共有し連関を持つとき、そこに視覚や聴覚などでは捉え難いが、確かに認識することができる「間」=「あわい」が生まれるはずだと考えます。
湯川秀樹(理論物理学者)は「現実の根底にある自然法則に気付くのは達人で、現実の根底にある自然の調和に気付くのは詩人である」という言葉を残しました。
この展覧会では3人のアーティストが、言わば詩人の観点に立ち、キーワードである「景」「風」「趣」「情」の4つの文字から生まれる「あわい」の存在を読み解き、表現の根底にある調和を作品展示によって試みます。