2021.07.06

「世界文化自由都市宣言」について

 昭和53年(1978年)10月15日、京都市は市会の議決を得て、文化による世界平和の実現を希求した「世界文化自由都市宣言」を行い、以来、宣言をあらゆる政策の最上位の都市理念と位置付けて、この理念の下に京都市基本構想、京都市基本計画を策定し、文化を基軸とした都市経営を進めてきました。




「世界文化自由都市宣言」


都市は、理想を必要とする。その理想が世界の現状の正しい認識と自己の伝統の深い省察の上に立ち、市民がその実現に努力するならば、その都市は世界史に大きな役割を果たすであろう。われわれは、ここにわが京都を世界文化自由都市と宣言する。
 世界文化自由都市とは、全世界のひとびとが、人種、宗教、社会体制の相違を超えて、平和のうちに、ここに自由につどい、自由な文化交流を行う都市をいうのである。
 京都は、古い文化遺産と美しい自然景観を保持してきた千年の都であるが、今日においては、ただ過去の栄光のみを誇り、孤立して生きるべきではない。広く世界と文化的に交わることによって、優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化都市でなければならない。われわれは、京都を世界文化交流の中心にすえるべきである。
 もとより、理想の宣言はやさしく、その実行はむずかしい。われわれ市民は、ここに高い理想に向かって進み出ることを静かに決意して、これを誓うものである。


昭和53年10月15日 京都市

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