人間は自由……何をしたって勘定は自腹……
抜け出すことのできない貧困の底で人々は酒を飲み、歌を歌う。
地点と空間現代がとことん突き詰める、〈慰めの嘘〉と頑迷なまでの〈人間賛歌〉!
ほら穴のような地下室の木賃宿。病人、巡礼者、韃靼人、前科者、役者……貧しい人々が希望のない暮らしをしている。宿の主人コストィリョーフの妻ヴァシリーサは、愛人のペーペルが妹のナターシャに好意を寄せていることに気づく。ヴァシリーサはペーペルを焚き付け、ナターシャとの結婚を交換条件に夫の殺害を持ちかける。しかしこの不幸な殺人が起こってしまうと、ナターシャは姉やペーペルと共に牢獄に入れてくれと叫ぶ。病人は死に、巡礼者がどこへともなく去り、役者は自殺するが、宿の人々は終わりなき日常を生き続けなければならない。
ゴーリキーの代表作にして社会主義リアリズムの金字塔に地点×空間現代が挑む!