FLOATING 荻野夕奈+田中加織+チェ・ユンジョン

ジャンル
  • 美術
形 態
  • 展覧会
  • トーク
HRDファインアートでは、2017年をしめくくる展覧会として10月21日からグループ展「FLOATING」を開催いたします。出品作家は日本の荻野夕奈、田中加織、そして韓国のチェ・ユンジョンの3名で、ともに80年代前半の生まれ。いずれも大きな括りでは具象絵画と呼ばれる作品の制作に取り組んでいる、同世代の女性アーティストによるグループ展となります。

荻野夕奈は1982年東京生まれで、東京藝術大学大学院修了。身近な植物や昆虫などを中心的なモチーフにしたその油彩画は、具象絵画と抽象絵画の間を揺れ動くような表現を特徴としています。油彩ならではの大胆な即興性と、つぶさな観察に基づく繊細な技巧が混在するその制作プロセスは、自らを取り巻く世界と画家自身との関係性を手探りで確かめる行為の結果としても捉えることができます。

田中加織は1982年京都生まれで、成安造形大学洋画科研究生修了。禅寺などの伝統的な日本庭園や富士山などの象徴的なフォルムを取り入れた幻想的な風景絵画を制作しています。ピンクやグリーン、イエローなど、ポップでビビッドな色調の油彩で描き出される庭園や霊山の風景は、幸福感に満ちた理想郷のようでもあり、実体のないバーチャル性に支配された現代社会の不穏さの表象のようでもあります。

チェ・ユンジョンは1983年韓国ソウル生まれ。ソウルの弘益(ホンイク)大学美術学部で絵画を専攻。チェの作品は閉ざされた室内の情景を描き出すものが多く、コラージュ的な画面構成や、メリーゴーラウンドや毛糸玉など特定のモチーフが繰り返し登場する点はシュルレアリスムの手法の援用と言えますが、抑制された色調と無機質な描写は突き放すような印象を与え、それがかえって強い感情を引き起こします。

本展では、上記3名の女性絵画作家の新作・近作を中心に展示します。絵画表現、とくに具象的絵画がいまだに多様で豊かな可能性を失っていないことを示すとともに、3名のアーティストの作品に共通する浮遊感や軽やかさ、そしてそれとともに感じられるそこはかとない不安感や緊張感を「FLOATING」という展覧会タイトルに託して、日本と韓国という隣り合う2つの国がそれぞれに抱える文化的・社会的な時代性にも目を向ける機会とすることも狙いとしています。

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アーティストトーク:「10年前・現在・10年後」

3名の出品作家を迎えて、「10年前・現在・10年後」をテーマにアーティストトークを開催します(主催:鞍馬口アートインスティテュート https://www.facebook.com/Kuramaguchi.A.I/)。

作品について、アーティストとしての人生についてなど、なごやかな雰囲気で語り合う場となります。オープニングに合わせて韓国から来日するチェ・ユンジョンも参加します。

アーティストトークは9月21日(土)15:30スタート。17:00からのオープニングレセプションともに参加無料です。

イベント情報

日時
2017年10月21日(土)~ 2017年12月30日(土)
11:00〜18:00
毎週日〜木曜休み(事前アポイント可)
場所
[上京区]
HRDファインアート
京都市上京区上御霊竪町494-1

地下鉄烏丸線「鞍馬口」駅下車徒歩1分(上御霊神社北隣)
料金
無料
URL
http://www.hrdfineart.com/exb-floating17.html
問合せ先
HRDファインアート
090-9015-6087
info@hrdfineart.com
※内容は変更になる場合があります。詳細は各イベント主催者にお問い合わせください。
※チケットや申込みが必要なものは、売り切れあるいは定員に達している場合があります。ご了承ください。