近藤高弘(1958-)は、京都に代々続く陶芸家の家に生まれました。祖父は染付で有名な人間国宝の近藤悠三、父も陶芸家の近藤濶という環境の中で育ちますが、高校、大学と卓球に打ち込みます。
26歳で陶芸の道に進む決意をし、京都府立陶工職業訓練校で学びました。1994年に京都市芸術新人賞を受賞し、2002年、文化庁派遣芸術家在外研修員として、エジンバラ・カレッジ・オブ・アート(イギリス)を修了しました。その後も、陶芸の概念にとらわれない、立体作品を数多く制作し、国内外の美術館で展覧会が開催されています。
今回は近年の近藤の仕事の中から、坐像、オブジェ、茶碗、白磁大壷を4つのテーマで展覧いたします。
特に、この展覧会のために制作した白磁大壷は、技術的な挑戦だけではなく、近藤のテーマである「うつわ」に対する一つの答えなのではないでしょうか。この機会に是非御高覧ください。