アンケート調査結果の報告

京都市の芸術家等の活動状況に関するアンケート調査について

本市では、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、京都市内で活動する文化芸術に関わる人々や団体・事業所が置かれている状況、並びに活動を再開し、持続するためのニーズを明らかにすることを目的に、アンケート調査を実施しました。美術、音楽、演劇、舞踊、伝統芸能、生活文化など幅広い分野と、創作発表をする表現者、教育研究、技術提供など多様な業務形態の方々から回答が寄せられました。

アンケート結果からは、9割を超える個人、団体・事業所が感染症の影響による公演、展示、イベント等の延期又は中止を経験していること、その収入損失は、個人では1人あたりの平均値が88万2千円、団体・事業所では1団体あたりの平均値が364万5千円、回答金額の合計は個人で8億9千万円、団体・事業所の合計は8億7千万円となりました。これは今回の回答(個人:1,122件、団体・事業所:280件)だけでの金額であり、実際には更に大きな経済的損失が発生していると考えられます。

収入に損失が生じたことで、個人では「制作・発表の活動費」、団体・事業所では「文化芸術に関する制作費・事業費・委託費」に充てられない、という活動の継続が困難となっていることが分かる一方で、個人では「食費や日用品費」の支払いが困難という回答が多いなど、芸術活動を専業にしている方が多い分野では影響が芸術活動のみならず、生活の維持にまで及んでいることが分かります。

現在困っていることについては、個人では「創作発表の機会が失われた」が最も多く、次に「生計が立てられない」「職務研修や技芸の指導・研鑽ができない」と続きます。団体・事業所では「公演や展覧会、イベント等の延期や中止による損失」が最も多く、次に「経営の見通しが立てられない」と続きます。また、必要とする支援については、個人、団体・事業所とも「損失の補填」が最も多く、「再開・新規展開に向けた資金支援」、「文化芸術活動を活かした機会・場づくり」や「オンライン展開のための支援」が続くなど、資金面と活動継続のための環境整備の両面での支援の必要性が浮き彫りとなりました。

こうした多くの切実な声を受け止め、文化芸術都市・京都として、ウィズ・コロナ社会で新たな表現や鑑賞方法に挑戦する文化芸術関係者を後押しするため、今後の施策を検討し、継続的に文化芸術活動を支援します。

調査概要

回答期間

2020年5月7日~5月20日(14日間)

調査実施者

京都市(実施受託:京都芸術センター〈公益財団法人京都市芸術文化協会〉)

調査対象

①京都市内に居住あるいは拠点をもつ芸術家及び文化芸術を支える個人
②京都市を拠点または市内で活動をする文化芸術活動に関わる団体・事業所

調査方法

インターネット調査(一部、郵送調査)

回答数

個人1,184件、団体・事業所292件

有効回答数

個人1,122件、団体・事業所280件

居住(所在)地、制作の場所、活動・発表場所のうち、いずれかが京都府内の回答

調査設計・
分析協力

大澤寅雄(ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室主任研究員、NPO法人アートNPOリンク理事)、中川眞(大阪市立大学都市研究プラザ特任教授)、樋口貞幸(大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員)、吉澤弥生(共立女子大学文芸学部教授)

報告書発行:京都市、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)

アンケート調査結果のポイント

POINT1

ほぼすべての回答者が、新型コロナウイルスの影響により公演や展示等の延期または中止を経験し、個人では平均88万2千円、団体・事業所では平均364万5千円の損失。これらの損失は文化芸術の活動資金、事務所等の維持、食費や日用品の支払い等へ影響を及ぼしている。

POINT2

現在困っていることとして、「創作発表の機会が失われた」という回答は910件に及ぶ(81.1%)。「生計が立てられない」と回答した人も5割を超えるなど切実な状況。

POINT3

必要な支援として「損失の補填」への要望が最も多い一方、「活動の再開に向けた事業資金支援」、「文化芸術活動を生かした機会・場づくり」、「オンライン展開のための支援」、またそれらを相談し、情報提供を求める先のニーズも高く、包括的な支援が求められている。

POINT4

自由回答では、今回の緊急奨励金が活動継続の後押しになったという声が多かったものの、依然として厳しい状況であることを訴える回答も多く見られ、継続的な支援、活動環境の整備が必要である。

はじめに

「生業/非生業」と「専業/兼業」

本アンケート調査が京都市文化芸術緊急奨励金の募集と同時期に行われ、新型コロナウイルス感染症による活動の影響を問うことを目的としたものであったことから、文化芸術を生業とし、かつ文化芸術活動のみに従事する人(生業・専業)が回答者の5割を占めた。分野ごとでみると「伝統芸能・その他芸能分野」は75%が生業・専業で最も高い。

「生業/非生業」と「専業/兼業」

サマリー

新型コロナウイルスの影響と経済的損失

個人では平均88万2千円、団体・事業所では平均364万5千円の損失があった。回答金額の合計では個人で約8億9千万円、団体・事業所の合計は約8億7千万円。これは今回の回答(個人:1,122件 団体・事業所:280件)だけの金額であり、実際には更に大きな経済的損失が発生していると考えられる。月ごとにみると4月が最も高い。これらの損失は、個人では創作発表の活動費、道具等の購入費、食費や日用品費に、団体・事業所では事業費、事務所・施設の管理費や維持費、設備等の購入費に影響を及ぼしている。

新型コロナウイルスの影響と経済的損失

現在困っていること

個人では「創作発表の機会が失われた」という回答が910件にも及ぶ(81.1%)。「生計が立てられない」と回答した人も5割を超えるなど切実な状況。団体・施設でも「公演や展覧会、イベント等の延期や中止による損失」が7割、「経営の見通しが立てられない」が5割を超えるなど厳しい状況。個人、団体等ともに、文化芸術活動へのモチベーションの低下というメンタルヘルスの不調から「事務所、施設等の維持ができない」というハード面の不安まで様々な面で困っていることが分かる。

現在困っていること

文化芸術活動に必要な支援

必要な支援として「損失の補填」が最も多い(個人53.7%、団体51.8%)一方、「活動の再開に向けた事業資金支援」(同43.9%、37.1%)、「文化芸術活動を活かした機会・場づくり」(同35.7%、32.9%)、「オンライン展開のための支援」(同32.4%、29.6%)も回答比率が高い。また、「支援策に関する相談・情報提供」、「文化芸術活動に関する情報発信、周知・啓発、提言」など、相談先や情報発信に関するニーズも高く、包括的な支援が求められている。

文化芸術活動に必要な支援

記述式回答

現状について

現状について

支援策について

支援策について

その他

その他

調査結果報告書

京都市の芸術家等の活動状況に関するアンケート調査結果の全文は、以下よりご覧いただけます。

本件に関する問い合わせ先

京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
TEL: 075-213-1000
E-mail:kyoto_art_support@kac.or.jp

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