ぼくはおもう。表現されたものは、現在、そこにしかない。今日しか食べることのできないものがあるように、今日しか見れないものがある。
川を渡って、劇場へ向かう。
あの日々のことを、現在、おもい返してみると、遠い過去のようにもおもえて。劇場にて、出会った/再会したひとりひとりの表情を、記憶のなかで、たぐり寄せてみるけれど。どうしても、その解像度には限界があるようだから、もういちどかんがえてみようとおもった。
なぜ、ひとは、劇場へ。いや、外へ出て、どこかへ向かおうとするのか。ひとは、やはり外へ出て、だれかと出会わなければ/再会しなければ。
その必要をおもって、劇場にて、待っている。演劇を思考し、営みながら、待っている。現在、そこにしかないものを、つくる。
「今日、在るものは、明日はもう無いんだよ」
2022.2.8 藤田貴大
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当たり前のことが簡単にはできない現在。演劇に人が集うということ、人々の営みについて、演劇作家、一般・本学学生のワークショップ参加者、劇場で働くスタッフも含めて、一緒に考えていく、そんなワークショップを開催しました。その成果発表として、「待ち合わせ」「食事」「おめかし」についての参加者インタビューをもとにしたテキスト、写真、映像、パフォーマンスを構成し“演劇作品を展示”します。
Phase1|まい日の食事(展示)
Phase2|おめかしした、あの日の記憶(展示)
Phase3|待ち合わせていた風景を記録する(展示)
Phase4|川を渡る(パフォーマンス)
Phase5|あの日の食事(展示)
■構成・演出
藤田貴大
1985年生まれ。北海道伊達市出身。2007年にマームとジプシーを旗揚げ。2011年に三連作『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』で第56回岸田國士戯曲賞受賞。『cocoon』(今日マチ子原作)の再演(2015)で第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2018年11月『書を捨てよ町へ出よう』(寺山修司作)で「フェスティバル・ドートンヌ・ア・パリ」に招聘され、パリにて上演。近年、作・演出を務めた作品として、都市におけるヒーローをテーマに描いた「CITY」(2019年5月-6月)、ファッションブランド、ミナ・ペルホネンとのコラボレーション作品「Letter」(2019年12月/2020年1月)などがある。演劇作品以外ではエッセイ、小説、共作漫画など、活動は多岐に渡る。2020年7月には初の小説集「季節を告げる毳毳は夜が知った毛毛毛毛」を河出書房新社より出版。
■出演(五十音順・いずれも本学学生)
長谷川七虹(映画学科)
服部天音(舞台芸術学科)
濱田優希(情報デザイン学科)
森史佳(舞台芸術学科)
保井岳太(舞台芸術学科)
渡邊菜央(美術工芸学科)
■主催
京都芸術大学 舞台芸術研究センター/京都芸術劇場 春秋座
■企画協力
マームとジプシー
■助成
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会