毎回各界で活躍されている方を席主にお迎えし、さまざまに工夫を凝らした独自のしつらえでお客様をもてなす京都芸術センターの「明倫茶会」。3月の明倫茶会は、美術家の国谷隆志を席主に迎えて開催します。国谷は人と空間の関係性に関心を寄せ、主にネオン管を用いたインスタレーション作品を制作しています。国谷の作品は、その作品空間に身を置いた鑑賞者に、空間性、時間性、あるいは場との関係性を手掛かりに、自分自身の存在についての思考を促しま国谷が作品に込める空間と人との相互作用は、しつらえられた空間で一服のやり取りを通じて時間を共有する、茶会の形式になぞらえることができるかもしれません。
~席主からの一言~
春分の日に食べるぼた餅には、小豆の赤い色が邪気を払うという謂れがあります。先祖への供養でもありますが、人々にとっては春を迎える何よりのお楽しみだったことでしょう。
この度のお茶席で私がご用意するのは、ぼた餅ならぬ「赤いいろいろ」となります。この季節の変わり目の1日に、皆様に少し変わった体験を楽しんでいただければと思っております。