「現金掛け値なし」の商法で知られた越後屋呉服店は,一般に江戸日本橋のイメージが伴いますが,京都には三井越後屋京本店が置かれ,西陣織などの仕入れや江戸への指令など,三井の商いの本拠地となっていました。
また,江戸時代の三井家は多くの奉公人を抱えていましたが,功績のあった奉公人には「越後屋」の暖簾の使用を許し,独立させる制度がありました。暖簾分けを許された家は「三井別家」と呼ばれ,京都では近年まで京都相続会として続いていました。
そしてこの秋,下鴨の地に残されていた旧三井家下鴨別邸(重要文化財)の5年にわたる修復が完了し,晴れて公開される運びとなりました。
本展示では,この修復公開を記念し,京都の三井家と三井別家ゆかりの資料として,別邸の古写真などのほか,三井別家の一つである中川九兵衛家に残された美術品,同じく中井三郎兵衛家に伝来する越後屋の暖簾や古文書などを御覧いただきます。(HPより)