板挟みになって、必死にうじゃうじゃと思い悩む人が好きです。
そんな人を見ていると、自然と応援したくなります。
スパーン!と迷いなくわりきれるのも凄いことですが、
ものごとにたくさんの正解を見出してしまうが故に
なかなか簡単にはわりきることができない人を見ていると、
どんな結果になってもずっと見守っていたいような、
不思議な気持ちにさせられます。
本人が「いやぁ、たいしたことないんですけどね」
なんてやっていたら、なおさらです。
ルドルフひさびさの新作は、とある小さな王国が舞台です。
王子たちも、女王も、たぶんこの王国が生み出す人造人間たちも、
誰もがそれぞれに大切なものや人を思うからこそ
あっちやこっちやそっちに挟まれて、必死にうじゃうじゃします。
人間にできることは、タイトルの「COLLAPSAR」が意味する
崩壊した星=ブラックホールのように
何ともつかないうじゃうじゃなものとつきあい続けながら、
時々えいって感じで何かを選ぶことなのかもしれません。
この作品は、世界中の必死にうじゃうじゃする皆さまへの讃歌です。
─ ルドルフ代表 筒井加寿子 ─