KUNST ARZT では、松本さやかの初個展「gunung」を開催します。
松本さやかは、シャーマンが神と交信するかのように、ただひたすら彼女の心の中に存在する“生きた山”を表現するアーティストです。アニミズム感覚を呼び覚ましてくれます。
銅版画の特性を活かした以下2つのタイプがあります(作家自身による言葉)。
1.腐蝕法(黒い山): 山は長い時間をかけて大きくなったり一瞬で崩れたりを繰り返します。また、雨や雪、太陽の光を吸収しながら変化してゆきます。この一行を、描画と腐食を積み重ね、時には削り、という作業を繰り返し、銅版にすべてを吸収させることで表現を試みました。
2.直刻法(ライン): 山の輪郭や尾根がとても気になりました。山から伝わる異様な存在感の源はここに有るのではないかと思い、ラインのみでの表現に至りました。
タイトルは、インドネシア語で「山」を意味し、まさに彼女が表現しようとする“山の生きている音”のようでもあります。ご注目いただければ幸いです。(KUNST ARZT 岡本光博)