京都の魅力に、四季の自然の美しさと歴史を伝える名所を上げる方は多いであろう。高台寺は京都東山の景勝の地にあり、江戸時代より寺の周辺で文人たちが季節の花や月を愛でて楽しんできた。
細やかに移ろう季節の美しさや都の情景は、絵画や和歌や道具へ写され、描かれてきた。そしてそれらを身の回りに用いることで、人々は暮らしに美と華やぎと物語を加えることができた。現存するそれらの品々もまた京都の魅力であり、後の世の人々の暮らしに潤いと洗練をもたらし続けている。
この展覧会では高台寺伝来の品を通じて、華やぎのある京の情景や春の喜びを紹介する。