桃山時代は、新しい価値観の転換期であった。戦乱から全国統一へ向かった時代で、城郭、邸宅、寺院などの大建築の造営がおこなわれ、豪華な諸道具が製作された。当時、海を渡ってきた南蛮文化の影響を受けて、日常的に用いる調度品の意匠にも新しい感覚を取り入れている。それらの品々は、今見ても新鮮で力強い。また国内の統一が進むと王朝文化再生の気運も興り、文化に華やかさが加わった。
豊臣秀吉と北政所、そしてその周辺の人々は桃山文化の中心的な担い手であった。この展覧会では高台寺に伝来した品々を通して、秀吉と北政所がくらした当時の文化の煌めきを紹介する。