わたしたちをつなぐのは、二人を別つ境界線。
第17回 TAMA NEW WAVE コンペティション グランプリ&ベスト女優賞 受賞
シネマカレッジ京都 俳優コース 制作実践クラス14-2 修了作品
❖INTRODUCTION❖
京都から新たな映画を発信するスクール「シネマカレッジ京都」の俳優ワークショップに集った参加者が中心キャストとなり、講師の松野泉がオリジナル企画で臨み、本作を制作。「二人の男女が恋人としては別れても同居を続けている」という状況と、その周囲の人々のざわめきを、キャストの存在をじっと見つめる視線で描いた作品です。人が人と関係し続けることの困難さ。境界線は、人を分かつだけでなく、人をつなぐラインでもあること。目の前の手の届く世界のなかで、ささやかな希望を見出す意欲作です。
❖STORY❖
香里と環は別れてから3年も同棲生活を続けている。友人や周りの人間からは関係をはっきりさせた方が良いと言われるが、家の中に境界線を引き、ルールを設け、恋人、友人でもない生活は続いている。そんなある日、環は会社の同僚の浩に食事に誘われ、香里も同僚の紀美から思わせぶりな態度を示される。さらに環の叔母夫婦が二人の状況を探りに来る。二人はなぜ離れられないのか、別れるとはどういう事なのか。決断の時が訪れた。
松野 泉(まつの いずみ)
1982年生まれ。2004年大阪芸大卒。大学入学より、短編映画や音楽の製作を開始。2006年、自主制作で『GHOST OF YESTERDAY』を監督。第30回ぴあフィルムフェスティバル(2008年)にて審査員特別賞、企画賞を受賞。長編第2作として2007年にCO2企画助成作品『YESTERDAY ONCE MORE』を監督。
2013年よりシネマカレッジ京都の俳優コース講師をつとめ、本作『さよならも出来ない』は受講生が出演する終了作品として制作された。
映画録音(整音)技師としても『Dressing Up』(2012年/安川有果監督)、『SAVE THE CLUB NOON』(2013年/宮本杜朗監督)、『ハッピーアワー』(2015年/濱口竜介監督)、『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』(2015年/遠藤ミチロウ監督)、『函館珈琲』(2016年/西尾孔志監督)などに参加。
また、ミュージシャンとしても活動し、1stアルバム「星屑の国」をリリースした。