「日常茶飯事」と言われるように、茶は身近なものとして人々に親しまれてきました。室町時代には、寺社など人が集まる場で茶が振る舞われる一方、精神性を前面に押し出した「わび茶」が誕生し、茶室の中で亭主と客が一体となって、その空間・時間とともに茶を味わうようになります。天正15年(1587)、豊臣秀吉が貴賤や貧富を問わず参加を呼びかけた「北野大茶湯」では、800もの茶屋が設けられたと言い、茶の湯の流行を見ることができます。男性主体に行われてきた茶道は、明治時代になると、身に着けるべき礼式の一つとして女性たちにも広まり、今日に至っています。本展では、主に江戸時代から明治時代にかけて様々な形式の茶の湯を描いた絵画をご紹介します。※前期・後期で作品の入れ替えと、絵巻の巻き替えを行います。